オリキャラオフ会 in 北海道 No.5

いつもありがとうございます。m(_ _)m” こんばんは、ふぉるてです。

引き続き、オリキャラオフ会に参加させて頂いております~♪

第2回の幹事さんは 大海彩洋さんです♪
(→大海彩洋さんのオフ会詳細ページへ)


→今回こちらから参加するキャラクターの紹介&特設ページ?はこちらです

なんとか5話目が書けました~ >ω<
8月中に完結させようとしたのですが間に合わなさそう… orz
(8000文字を超えてしまったので、一旦切りのいいところで切ります~
次回で完結になるはずなので、もうちょっとだけお付き合いくださいませ m(_ _)m”

あ…今回も、もしどこか勘違い・食い違いがありましたら、
笑って流してくださいませ~~ m(_ _)m”
うっかり勘違いしているかも…(汗)

 Special Thanks:大海彩洋 様、 八少女 夕 様、 lime 様、 山西サキ 様、
                 けい 様、 TOM-F 様、 かじぺた 様、 あかね 様  

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次の朝。
釧路に帰省していたと言う相川牧場のスタッフの人が、レイモンド達が宿泊していたホテルまで迎えに来てくれたので、感謝の気持ちを伝えながら、有り難く車へと乗り込んだ。



「なんて綺麗なんだ……」
オンネトーの湖面が見えた瞬間、リーザは感嘆の声を上げた。
でっかい宝石の様だと喜ぶリーザの横で、レイモンドも目を細めながら頷く。
車から降り、すぐ近くまで歩いていくと、
北の地の青空を水面に映し、日の光を吸い込んだ森の中の静かな湖は、手前から奥へと向かうに連れて、エメラルドグリーン~コバルトブルーへと少しずつ色を変えて輝いていた。
湖の縁は、木々が風にそよぎ、木漏れ日が青い水へと揺らぎをつくる。
……初めて見るような『青さ』だなあ……
広さとしてはそれほど大きな湖では無いのだが、その色彩の鮮やかさと表情の豊かさは目を見張るものがあった。

「――――。」
それまで じっと静かに湖を眺めていた詩人が、おもむろに竪琴を取りだし、ポロロと爪弾く。

湖から何かを感じ取ったのか、一曲いかがでsu? と近くの岩に腰かけたので、レイモンドは無言のまま頷いた。

背筋を伸ばし、目を閉じると、短い詩を奏で始める。

  森閑に溢るる泉は誰が涙
  錦の鏡に想い染め行く――

「…………。」
――ここは、綺麗すぎて、そんな気持ちになるよな――
詩人の詩を背中で聞きながら、オンネトーの湖を無言で眺めていたレイモンドは、軽く目を伏せた。



びょ~ん……びろょ~ん……
阿寒湖の湖畔にあるアイヌコタンに着いた一行は、思わず顔を見合わせた。
「何だか不思議な音がするでsu」
キョロキョロと周りを見回しながら詩人が呟いた。
『あれは、ムックリと言う民族楽器だそうでございます』
ガイドブックに成りきったハゾルカドスの説明によると、竹製の弁を振動させ音を作り、口腔に共鳴させて演奏するのだと言う。
その説明に詩人は興味津々な様子で、音色に引き寄せられる様にアイヌコタンの村へと向かって行く。
お土産やさんで国の天然記念物だというマリモの話を聞き、コロボックルのアクセサリーと土産用に売られていたムックリを買うと、皆で軽く昼食を取り、いよいよ浦河へと車を走らせた。



通りがけに盆踊りの会場と櫓(やぐら)を車内から眺めたあと、浦河の牧場へたどり着いたレイモンド達を一番最初に出迎えてくれたのは、元気いっぱいの犬達だった。
ここまで乗せてきてくれた牧場スタッフの人に感謝の気持ちを伝えていた所で、ウェルシュコーギー2匹と柴犬1匹がレイモンド達3人の周りを嬉しそうにはしゃぎ回る。
「かわいいお出迎えだな」
その姿を眺めながらリーザが微笑む。
……ん……?
ふと、その犬達に混ざって、半透明の猫がこちらを見ているように感じたレイモンドは、思わずその方向へ振り返った。
「…………。」
気が付くと、詩人も同じ方向を向いている。
「? 2人してどうしたんだ?」
その様子を不思議に思ったリーザが声をかけた。
「あ、いや――」
リーザの方を振り返り、曖昧に答えながらもう一度猫の居た場所を見てみると、ついさっきまで感じていた猫の気配はいつの間にか消えていた。
……気のせいだったのかな?
その場所より更に奥の建物の方から、牧場の女性陣の数名が笑顔で歩いてくる。
「相川牧場へようこそ!」
浦河の空は茜色に変わりつつあったが、真昼の向日葵(ひまわり)のような明るい笑顔に迎えられ、3人は他の参加者達が集まっている会場へと向かった。



そこでは既に宴会が始まっていた。
テーブルの上に所狭しと並ぶ手料理の数々に驚きながら、レイモンド達は案内されるままに席に移動する。
レイモンドが挨拶をするより早く、向かい側に座って居たオリーブ色の綿シャツの男性と白い鍵網のボレロ姿の女性が「こんばんは」と笑顔で会釈をした。
「こんばんは」とレイモンド達も挨拶をすると、横の最年少らしい二人組が振り向き、こんばんは~とお辞儀をした。
その最年少の片側の、ふわふわの巻き毛と琥珀色の瞳をしたかわいい女の子(※1)の向かいに座りグラスを傾けていたアイヌの民族衣装に身を包んだ黒髪の男性がレイモンドの胸元を見ると、
「そなた、変わった紋章を付けているな」
と興味深げに声をかけた。
……紋章??
なんのことだろうかと一瞬考え、ペンダント型をしたハゾルカドスの事かと気が付いた。
驚いたような表情で見つめ返すレイモンドに
「申し遅れた。余はグランドロン国王、レオポルド」
その意思の強い漆黒の瞳が真っ直ぐに見つめ返す。
……こ、国王??
「マックスです。」
同じ様に民族衣装に身を包んだ隣の明るめの茶色い髪の男性が、本名は長いのでこう呼んでください、と言った。
「レイモンドです。こっちはリーザと詩人……」
「詩人?」
……あ……しまった……。またやってしまった……
「あ、いえ、ニックネームです」
あわてて付け加えると、レオポルドはふむ、と頷いた。
こちらはルクトから来ました、と伝えると、今度は民族衣装の二人が顔を見合わせる。
……それにしても……グランドロンなんて国の名前は記憶が無いなぁ……。
かといって、ニッポン国の人では無さそうだ。
更に聞くと、《シルヴア》の森に面した国だと言う。
……俺の記憶が無いせいか……?
チラリとリーザと詩人を見てみたが、二人とも聞いたことが無い様だ。
……でも、この人達は……一般人の気配じゃない――
皆に打ち解けるように振る舞っては居るが、時々滲み出るその所作は上流階級の動きだ。
……もしかしたら、俺達みたいに別の世界からきたのかな……?
そんな事を考えて居ると、隣の席の正志と千絵は、彼等を一風変わった2人組と認識しているのか、「旅行の途中で出会って、行き先が同じだと言うので一緒に来たんです」と説明した。
そしてその途中でヒッチハイクをしていた2人の中学生を乗せたらしい。
「そして、湖で綾乃どのを乗せて……」
そこまで言いかけ、レオポルドは部屋の中を見渡し、少し離れた所で本格的な一眼レフカメラを構えている美女を見た。
それだけの人数を乗せられる車を千絵が運転してきたと言う事を聞き、レイモンドは少し驚きながら頷いた。
「レイモンドさん達は車で来たんですか?」
移動手段の話になり、正志が尋ねると
「あ……いえ、一応、特訓で鉄の馬車の運転免許と言うものを取ったんですが、途中で酒を飲むことになって、飲酒運転はマズイので……」
色々な人達に乗せてもらいながらここまでたどり着いた経緯を話すと
「では、そなたは"本気出す"機会はなかったのだな」
とレオポルドが頷いた。
「本気出す??」
何の話だろうかと思わずレイモンドが聞き返すと、
「実は、その前日に無理を言ってコトリの機械馬に乗せて貰ったのだ。
 それで、兜が、こう……浮くように……」
彼の話によると、本気を出しますよ、と言った後に急に体が浮くように感じたらしい。
良く通るレオポルドの話声が聞こえたのか、少し離れた席でコトリとダンゴと言う女性が苦笑している。
……機械馬と言うのもあるのか……。
レイモンドが頷くと、何故か千絵が思い出すように天井を見つめ、最年少組の片側のミツルが慌てたようにうつ向いた。
話を聞いた内容と、自分が覚えた運転技術の事を思い返し、「あくせる全開」の事かな……と考えたレイモンドは、
「実は練習中に坂道で動き出すときに目一杯踏み込んでみたんですが、いきなり機嫌を損ねて止まりました。」
と、頭の後ろを左手で押さえながら笑うと、
「ミッションで取ったんだ」
と、坂道は慣れるまで大変かもな、と正志が頷いた。
「ふむ、本気出すのは失敗することもあるのか」
とレオポルドが頷くと、
「でも坂道では本気は出さなくても登れるみたいです」
……"くらっち"の使い方と、音を聞いて判断すればいいってわかるまでだったけど……。
と照れ臭そうにレイモンドは笑った。
確かにホッカイドウに来てからは運転はしていないので、道路で"本気出す"機会もなかったのだが……。
いや、そもそも初心者マークを付けながら飛ばすのもマズイ。
「何の事だかさっぱり分からないですne。」
「今度、レイに本気だしてもらうか」
と、ナギと料理を分けあっていた詩人とリーザが呟いた。
……機会があるか分からないぞ……?
その言葉に苦笑していると、ふと横からにゃあ~と言う声がした。
……あ、マコト……。
はた、とオッドアイ同士で視線が合うと、不意にマコトは胸元のハゾルカドスに前足を伸ばした。

「!?」
ビュンッ。

反射的にハゾルカドスは反対側へと振れた。
マコトの目が再び真ん丸になる。
(ばっ……何をまた同じ事をしてるんだっ……!)
(もっ、申し訳ございません! つ、ついっ……!)
その不自然なペンダントの動きに驚いた様子の人達に
「あ……その、時間になると振り子みたいに動くんです」
と、また苦し紛れにレイモンドは説明した。
「へぇ、凄いね!」
ハゾルカドスをすっかり高性能な翻訳機だと思い込んでいるナギが、トコトコとレイモンドに近づくと、すとん、と目の前に座り込んで息が掛かりそうなほど至近距離まで顔を近付け、マジマジとレイモンドの胸元のハゾルカドスを覗き込む。
――えっ――?
まだ声変わりもしていなかったため、てっきり天使のような少女だと思っていたレイモンドはその行動に驚き、思わず硬直した。
しかし、それより更に驚き慌てた人物がいた。
「ああああっ!? すみませんすみません、こいつは男なんですっ」
慌てふためいたようにナギの腕を掴むと、ひっぺがすようにしながらミツルは謝り、弟を元の席へと戻した。
……お、男だったのか……。
もはやどこに驚いたらいいのか分からなくなりながら、レイモンドは頷く。
さっき一緒に岩風呂に入ろうかと誘ってしまったぞと苦笑するリーザの後ろから、見覚えのある高校生が笑顔でお酒の追加を運んできた。
「レイさん、昨日ぶりです。こんばんは」
ふと振り返ると、 享志が追加の酒瓶を差し出していた。
「ああ、昨日ぶり。」
ありがとう、とレイモンドが笑いながら瓶を受けとると、
「えっと、そろそろ余興に、何かやろうかと言う話になっているんですけど、レイさん、もし良かったらフィッシャーマンズワーフの時みたいにお願い出来ませんか?」
……フィッシャーマンズワーフの……
「ああ、ナイフ投げ……?」
大阪のおばちゃん達に囲まれて居たときの事を思い出しながら呟くと、
「あっ、そっちはここじゃ危ないと思うんで、踊りの方をっ……」
慌てて手を横に振りながら享志が答えると
「いいですne~。一曲やりましょうka」
と詩人が嬉しそうに頷いた。
……踊りを……。
一瞬だけ躊躇ったレイモンドに、マコトがにゃあ。と呼び掛けた。
……ここで迷ってもしょうがないか。

「――よし、やるか!」
ニッ。と 享志に笑顔を返すと、レイモンドはスッと立ち上がる。
また一緒に踊るか?と茶色い仔猫に声をかけると、その笑顔を見たマコトは、にゃあ!と嬉しそうに跳び跳ねた。



魔術には4つの大きな属性とリズムがある。(※2)
  1は火。意志や勇気を司る。
  2は水。感情や優しさを司る。
  3は風。知性や伝達を司る。
  4は土。希望や豊かさを司る。
未だに魔術の事は完全には思い出せずに居るが、それらの要素は全て音楽にも溶け込んでいる。
時に情熱的に、時に優雅に優しく、巧みに奏でる詩人の竪琴の音色にも、レイモンドは自然に体がついていく事を感じていた。
……何だかんだで、踊れるもんだな……
そんな変化に内心で感心しつつ、マコトと共に気持ち良く音色に身を任せていると……
視界の隅で、詩人がニヤリと笑うのが見えた。
……ん? なんだ、今の笑みは……?
それをレイモンドが確認するより早く。
詩人の奏でる曲調が変わった。

……変拍子……!!

それまで一定だった拍子が、キリの良い所で、5拍子、7拍子と変わっていく。
ガラリと変わる複雑なリズムに、内心で焦りながらも、表向きは涼しげな顔で合わせていく。
詩人の口元が「なかなかやりますne。」と動いたように見えた。
……くそ~……遊んでやがるな……。
軽く息を弾ませながら、ぶっつけ本番の静かな勝負を繰り広げる。
とはいっても、殺気を飛ばすようなギスギスとした勝負ではく、あくまでも二人とも楽しみながらだ。
そして驚いたことに、茶トラ猫のマコトは、始めは戸惑っていたものの、次第に慣れてきたのか楽しげに跳び跳ねながら変拍子にも乗っていた。
……やるじゃないか。
マコトをチラリと見ながらレイモンドが微笑むと、マコトは嬉しそうににゃあ!と鳴いた。


一気に踊り終えると、会場から暖かい拍手が響いた。
大阪のおばちゃんの時を思い出していたのだろうか、割り箸に挟んだ紙は無いのかな?と言うような素振りで不思議そうに首を傾げているマコトを、レイモンドは労うように優しく撫でる。
仔猫の目が気持ち良さそうに細くなった。



レイモンドが席に戻る頃には、皆大分打ち解けて、席順も流動的になっていた。

「親っさん方、いけるじゃないか。わたしも混ぜてもらえないだろうか」
それぞれの参加者が演目を披露している様子を楽しそうに眺めていたリーザだったが、ハイペースで酒瓶を空にしている一太郎と長一郎の二人組を見付けると、自分のグラスを片手に年長組に挨拶をする。
二人の酒豪は一瞬驚いたように顔を見合わせたが、大きく頷くと、手元に置いてあった日本酒の酒瓶を見せた。
それをリーザのグラスになみなみと注ぐと、リーザは乾杯の仕草で頂きますと爽やかに笑い、清々しく澄みきった富水を喉の奥へと流し込んだ。
「これは何という酒なのだ」
その味に、リーザは思わず目を見開いた。
「京都の伏見というところで作られた酒だ。それからこっちは――」
二人はリーザの反応を見て、嬉しそうに酒談義を始める。
一太郎に"おニューでナウい飲み方"も教えてもらい、酒を囲んだ3人は直ぐに打ち解けて行った。
そして、盆踊りの櫓(やぐら)の話などにも花が咲く。
その年長組2人の笑顔に、いつの間にか自分が幼い頃に世話になった恩人の面影を重ね合わせていたことを、この時はまだリーザは気付かずにいた。



「おれんぢジュースが終わってしまいましたne……お代わりを貰って来ましょうka」
胃袋に穴が空いているのではないかと言う勢いで北海の幸を平らげていた詩人は、手元の瓶が空になったことに気が付き、ついでに背筋を伸ばそうとゆっくりと立ち上がった。
そのまま厨房の方へ向かうと、かじぺたさんが忙しそうに手を動かしながら、隣でやはり忙しそうに動いている牧場の女性陣とパソコンのデータについての話をしている。
(ぱそこんと言うものがあるのですne……)
詩人には何の話をしているのかさっぱりだったのだが、おれんぢジュースを貰うべく、声をかけようとすると……
「……をya……?」
足元で、ウェルシュコーギーの2匹が上目遣いに詩人を見つめていた。
「やa、君たちha、最初にお出迎えに来てくれたワンちゃん達ですne。」
ふわりと微笑みながらしゃがみこむと、よsiよsi、と2匹を撫でた。
その様子に気がついたかじぺたさんが笑顔で詩人に声をかけると、
「あなたのワンちゃん達だったのですne。……ふむふむ、名前はエドワード1世とアーサーと言うのですne」
と頷き、一瞬考えた後
「でha、摂生はここでお邪魔している間は『詩人3世』でいきまsyou」
と呟いた。


……3世って、誰の孫なんだ……。
トイレから戻る通りがけに詩人の台詞を聞いたレイモンドは、苦笑しながら廊下の角を曲がる。
――と。

ポン!
「……っ?」

薄暗がりから現れた何か軽いものに出会い頭にぶつかり、反射的に『それ』を見つめると――
「――――っ!!?」
――めっ、目玉っ――!?
フワフワと漂う目玉に、レイモンドは思わず声を上げそうになった。
……こいつは、まさか網走監獄の『監視かめら』ってヤツの仲間か!? いや、悪魔の目玉がこの国にも居るのか??
いや、それよりもなんでこんな所にいるんだ、と驚きながら身構えると……
「あっ、あわわわっ!? すみませんすみませんすみません!」
バタバタと走ってきたミツルが、空中を漂う目玉を むんず! と掴むと、
「こ、これは、手品の道具なんです! あはははは……」
と、乾いた笑い声を上げ、驚かせてごめんなさい! と勢い良く頭を下げると、ダッシュで走り去って行った。
「…………。」
ぽかんとその場で立ち尽くしたレイモンドは、そのオモチャの目玉が後に"目玉1世"と呼ばれていたということを知る由もなかった。


……ああ、それにしても驚いた……
我に返ったレイモンドは、ゆっくりと廊下を歩きながら、遠目に宴会場を眺めた。
おれんぢジュースをゲットした詩人が席に座る。
そのすぐ近くで幸生さんと言う大学生から"ブドウジュース"と教えて貰ったらしい赤紫色の液体を興味津々に眺めているナギと、おれんぢジュースを机に起き"ブドウジュース"に手を伸す詩人の姿が見えた。
……あれ……。でもブドウジュースなんてあったっけ……?
ふと、首を傾げながら廊下を歩いて居ると、
「……小さな魔術師くんの お兄ちゃんが走って行ったと思ったら、今度はでっかい魔術師が来たか」
その向かいから、いつもと変わらぬ様子のリーザが笑った。
あれだけの酒をハイペースで飲みながら、顔色ひとつ変わらない。
尤(もっと)もそれは、レイモンドも同じではあるのだが……
そのリーザの後ろから、パタパタと小走りに千絵がお皿を下げようと横を通ろうとしたとき、うっかり積み上げた皿の角が軽くリーザにぶつかってしまい、「あっ、ごめんなさい!」と声を上げた。
千絵の性分なのか、懸命に手伝っている姿をみていたリーザが「わたしも手伝おう」と申し出ると、「ありがとうございます。でも、大丈夫です。」と笑顔で頭を下げ、足早に厨房へと入って行った。
「……彼女は、わたしの持っていない強さがあるんだが――」
あまり出過ぎた真似は出来ないか、と呟きながら、正志の方へとゆっくり視線を移す。
あまりその辺りの話には馴染みのないレイモンドでも気づくほど、度々 正志は千絵を見つめていたのだが、どうしてもタイミングを逃してばかりの様だった。
……うまく行くといいな……。
その様子を遠目に見つめながら、レイモンドはただ静かに頷いた。



レイモンドが席に戻ると、真と成太郎の三味線と太鼓の演奏に、なんと詩人が竪琴で参加していた。
"ブドウジュース"を飲んだ後から、なにやら挙動が怪しくなっているのだが、竪琴をかき鳴らしている時だけはまるでしらふのように見える。
民謡と言うのですka~と感心しながら、異国の音楽をその場でアレンジしながら弾いていく。
真のアドリブの効いた三味線の音や、息を合わせた成太郎の太鼓の音に、3人の間には不思議な調和が出来上がっていた。
……なかなかやるな……。
普段は「へっぽこ」ばかり見ていたのだが、その竪琴の腕前をレイモンドは感心しながら見ていた。
小さなセッションの輪は、幸生の即興の歌声を得て、更に広がっていく。
そして、それに惹き付けられるように、聞き入る人が増え、最終的に、みんなで合唱をしようという流れになった。



合唱の練習も終わり、そろそろ今日はお開きかな、と思い始めた頃、「そろそろ、本気出す?」と成太郎の声が聞こえ、真が三味線を構え直し、奏重と言う女性がスッと立ち上がると、それまで賑やかだった宴会場は水をうったように静まり返った。

張りつめた静けさの中、掛け声と共にじょんがら節が始まる。

その北の地の魂の音色と演奏を、レイモンド達は ただただ、食い入るように見つめていた。



「……摂生はどっちの部屋ですかne……」
その夜、すっかり打ち解けた一同は、大部屋で男性・女性に分かれて"合宿"と言うときのように布団を並べて寝ることになった。
しかしそこで、小さな問題がひとつ浮き上がった。

詩人には性別がない。

どちらでも構わないのかもしれないが、少し不安げにコッソリとレイモンドに尋ねると、
「真ん中に廊下があるぞ?」
と笑顔で言われ、思わず「えe~、鬼でsu~……」と床に『の』の字を書くと、
「冗談だってば。……そうだな、見かけは男に近く見える気がするし、男部屋に来たらどうだ?」
と、今度は真剣な答えが返ってきた。

夜風に乗って、虫の声が聞こえてくる。
こうして、浦河での長いような短いような1日目の夜は更けて行った。


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いつもと改行を入れる回数が違うので、
ちょっと読みづらかったらごめんなさい。m(_ _)m”

ちゃんと絡み切れていない気がします…すみません ><;;

ええと…。
本気だす、と 角ドン(これだと角ぽん?)に こっそり挑戦してみました。←しかも何かがチガウ

あと1話、完結に向けて頑張ります~~ >ω<


※1 この時点では女の子だと勘違いしています。

※2 本当は光と闇の属性も有りますが、軸が違う
    & ややこしくなるので省いています。



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Secret

五話めですか〜

こんばんは。

そうか、もう五話になるのですね。
浦河で合流!

うちの謎のチームと遊んでくださり、ありがとうございます。
機械馬に鉄の馬車。いいですね〜。
あ、本氣を出すといきなり法律違反ですよ〜(笑)

そして、詩人もずいぶん活躍していますね。
素面でも、「ぶどうじゅーす」の影響下でも、どっちもがんばるあたり。
さすがプロです。

そして、お約束の角ドンは、なんと目玉一号! なるほどなるほど。
ナギの能力はレイモンドには「普通」に見えているのかな。

で、さりげなく千絵たちも見ていてくださりありがとうございます。
次回が、いよいよ完結ですか。
フィナーレ、楽しみにしていますね。

気が付いたら5話目でした~>ω<;

> 八少女 夕 さま

こんにちは~(*^ ^*) コメントありがとうございます!

> そうか、もう五話になるのですね。
> 浦河で合流!

そうだったんです、気が付いたら5話目になっていました~ Σ >ω<
ようやく皆様と合流できました~! ^^;


> うちの謎のチームと遊んでくださり、ありがとうございます。
> 機械馬に鉄の馬車。いいですね〜。

こちらこそ、ありがとうございます~♪ m(_ _)m”
いざ実際に書いてみると、どこまで踏み込んでしまってもいいのかなとか、
バランスが難しいですね ><; ドキドキ挑戦中です~~
(もしうっかりおかしなことを書いてしまっていたらごめんなさい)
でも、凄く楽しいです~♪(*^ ^*)
↑中世組のお二方とは、異次元から来た者同士で、かみ合っているのか かみ合っていないのかわからない会話などで、頭の中では かなり妄想が広がっていました… >ω< てへ…

> あ、本氣を出すといきなり法律違反ですよ〜(笑)
警察に ばっちり捕まってしまいますね(笑) >ω<”
思い返してみれば、今回の旅行は、住居侵入、脱獄、飲酒運転、殺人未遂(←えっ/笑)、
どこかで バシッと どついてたら傷害罪も有りそうな…(←でも身内なら大丈夫かな…?)
危なっかしい凶悪犯3人組になりそうでした~(笑)

> そして、詩人もずいぶん活躍していますね。
> 素面でも、「ぶどうじゅーす」の影響下でも、どっちもがんばるあたり。
> さすがプロです。

ありがとうございまsu♪(*^ ^*)
(なんだ~、詩人、やれば出来るんだ~ /笑 >ω<)

この回では、なんだか詩人が頑張っていました(^^)>”
(今まで暑さで死んでいて出番が少なかったような…??)
ここまで演奏をしまくっていたという事は、
よっぽど楽しかったんじゃないかな…? と思うのですけれども、
本編でもこのくらい仕事をしてくれればなぁ~……(笑) >ω< なんて

> そして、お約束の角ドンは、なんと目玉一号! なるほどなるほど。
角ドン…何やらお題になって居たようなので(?)挑戦してみたのですけれども…。
自分で書いてみても、「何かがチガウ…」と思いながら、
目玉一号との角ドン(角ぽん?)になりました >ω<

壁ドンも、このメンバーだと、盗賊相手にカツアゲになってしまったりとか…。
どうしても路線が逸れてしまいます~ orz トキメキはどこに…
↑恐怖の方で心拍数が上がるかもしれません

> ナギの能力はレイモンドには「普通」に見えているのかな。
ヴァースのおっちゃんの回復魔法の講義も真剣に聞いていたところを考えると…。
不思議な雰囲気は感知しているとは思うのですけれども、
たぶん、ナギ君の能力は自分の使っているものと系統が違うので、
「魔術に似ているけど何か違うようだ…なんだろうか??」と
(内心は)興味津々なんじゃないかと思います~(*^ ^*)

(仲間の2人の方は、魔術と勘違いしているかも知れません(^^)>” )

> で、さりげなく千絵たちも見ていてくださりありがとうございます。
こちらこそ、千絵さんと正志さんのお話に、
重要なポジションで書いてくださり本当にありがとうございます♪(*^ ^*)
影ながら、3人で応援している模様です~ ^^

> 次回が、いよいよ完結ですか。
> フィナーレ、楽しみにしていますね。

ありがとうございます!♪
いよいよ次回で、このオフ会の完結になります~ >ω<
オチがちゃんとあるか自信が無いのですけれども、完結に向けて頑張ります♪(*^ ^*)


コメントありがとうございました!(*^ ^*)
ではでは~…☆

こんばんは~(^0^*)ノ

はじめまして!こんばんはでsu~~(^∀^*)ノ
先ほどは、コメントを頂き、
どうもありがとうございました~~~m(≧∀≦)m
いえいえ、こちらこそご挨拶が遅れちゃって
申し訳ありませんでした~~~m(;∀;)m

私とか(爆)家のワンコと絡んでくださり
どうもありがとうございまsu~~~m(≧∀≦)m
詩人3世さん、良いですね!!!
くせになりそうです!!!(笑)

続きも楽しみにしていますo(^^*)o
本当にありがとうございました~~~m(^∀^*)mv-238

こんばんは~(*^ ^*)

> かじぺた さま

初めまして、こんばんは~(*^ ^*) コメントありがとうございます!

> 先ほどは、コメントを頂き、
> どうもありがとうございました~~~m(≧∀≦)m

えへへ…。うっかりご挨拶しそびれて しまっていたのですが
お話出来て嬉しいです~ >ω< ありがとうございます♪


> 私とか(爆)家のワンコと絡んでくださり
> どうもありがとうございまsu~~~m(≧∀≦)m

ちょっぴりドキドキでしたが、思い切って絡ませて頂きました~ >ω< てへ
はっ…。危うくかじぺたさんの目の前で流血大惨事になるところでしたね。 ^^;
あ、バッチリ3人の胃袋は掴んでいらっしゃいます~♪

> 詩人3世さん、良いですね!!!
> くせになりそうです!!!(笑)

えへへ…ありがとうございまsu~♪ >ω<
一体誰の孫なんだ?? という、新しい謎が出来てしまいました…(笑)
↑詩人が、裏でニヤリとしています…(笑)

そうか、ウェルシュコーギー、イギリス王室の犬だったのですね >ω< ”
なるほど、それであのお名前だったのですね♪
かじぺたさんサイドのストーリーで、彼らの声(?)も聞けて、楽しかったです(*^ ^*)

いや、余談なのですけれども、学生の頃、
イワン=ゴンザレス=シーザー=チョンハーン4世と言うハムスターを飼っていて
(命名は友達でしたが)、 ちょっと懐かしく……げふげふ、すみません、余談過ぎました(汗)

> 続きも楽しみにしていますo(^^*)o
ありがとうございます♪(*^ ^*)
あと1話、頑張って完結させます~♪

> 本当にありがとうございました~~~m(^∀^*)mv-238
こちらこそ、ありがとうございました~♪(*^ ^*)
なかなか行動が遅いのですが、またお邪魔します~♪ m(_ _)m”
ではでは~…☆


遅くなってすみません~

あわわ、もう5話がUPされてたのに、今頃になってごめんなさい~。
いやもう、めちゃくちゃ楽しかったです。
時間の経過を追って、丁寧に丁寧に描かれていて、ふぉるてさんの人柄を垣間見れたようなきがします^^
珍道中の後に(笑)ようやく牧場に到着ですね。
ひとりひとりと話をしていく3人が面白いです^^レオポルドとの、「本気出す」談議に笑ってしまいました。
本気だしたら機械馬浮くって、国王もレイも、間違えて覚えちゃったら大変ですね^^;(ミツル、ちょっと慌ててるし)

うう、本当に女の子なら良かったのに、中途半端に男でごめんなさい(笑)レイモンドの胸元に大接近♡
あ、そういえば、リーザとレイモンドは、恋仲とか、そう言う関係ではないのですね??お似合いに見えるけど。

そして、なななんと、レイモンドの角ドンは目玉一世でしたか!!
本当に度々、ご迷惑を~~><あとで叱っておきます~w
その上、詩人さんに、ブドウジュースを飲ませることになっちゃったなんて(笑)詩人さん、ナギ並にお酒に弱かったのね!
でもそれでも竪琴はきっといい音色で響いてたんでしょうね。
それに合わせて踊るレイモンドが、素敵!

そして……知らなかった!詩人さんは性別が無いのですね?
なんて神秘的な。そりゃあ、やっぱり寝室は真ん中の廊下ですね!(うそです><)

とってもフレンドリーで楽しい宴会でした^^
次回も楽しみにしていますね♪

いえいえ、ありがとうございます~(*^ ^*)

> lime さま

こんばんは~(*^ ^*) コメントありがとうございます!

> あわわ、もう5話がUPされてたのに、今頃になってごめんなさい~。
いえいえ、こちらこそなかなか遊びに行けなくてごめんなさいです~ >ω<;
ありがとうございます♪ m(_ _)m”

> いやもう、めちゃくちゃ楽しかったです。
> 時間の経過を追って、丁寧に丁寧に描かれていて、ふぉるてさんの人柄を垣間見れたようなきがします^^

えへへ…ありがとうございます~♪ >ω< 照
いやぁ…せっかくなので、出来るだけ絡ませて頂こうと気合を入れていたら、うっかり欲張り過ぎました~~~(笑) orz
頬袋に目一杯詰め込み過ぎてエイリアン状態かと…←なぜハムスター(?)

> 珍道中の後に(笑)ようやく牧場に到着ですね。
ようやく会場に到着できました~ >ω<
いやはや…無事に辿り着けて良かったです(笑)
そして何より、辿り着いてみたら、既に祭りの後…になっていなくて、良かったです ><

> ひとりひとりと話をしていく3人が面白いです^^レオポルドとの、「本気出す」談議に笑ってしまいました。
> 本気だしたら機械馬浮くって、国王もレイも、間違えて覚えちゃったら大変ですね^^;(ミツル、ちょっと慌ててるし)

ありがとうございます♪(*^ ^*)
きっと、レオポルド様とは異次元の者同士で、真剣に「本気出す」について話をしていたと思うので、
ミツル君は「ま、まずい…」と思ったかも知れないですね >ω< ”
間違えて覚えないようにしなきゃ……(笑)

> うう、本当に女の子なら良かったのに、中途半端に男でごめんなさい(笑)レイモンドの胸元に大接近♡
いやぁ~…この時点では本気で女の子だと思っていたと思うので、かなりドッキリしたようです >ω< ”
女の子が、自然にストン、と胸元まで来て座り込んだりとか、たぶん経験無いと思うので……(笑)
でも、男の子だと分かった後もしばらく混乱していたかも知れません~(笑)

> あ、そういえば、リーザとレイモンドは、恋仲とか、そう言う関係ではないのですね??お似合いに見えるけど。
そうなのです~ >ω< ” てへ
残念ながら、恋仲と言う関係では無くて、戦闘中にお互いの背中を預けられる仲……
と言う方が近かったりします^^; ←サバサバし過ぎ…??
片や剣士、片や魔術師なので、バランスは取れているな~…なんて思っているのですけれども
恋仲に発展するのかは…うむむぅ、実は まだまだ何も決まっていません~(笑) (>ω<)>”


> そして、なななんと、レイモンドの角ドンは目玉一世でしたか!!
> 本当に度々、ご迷惑を~~><あとで叱っておきます~w

いえいえ、ナギ君、大丈夫ですよぅ~(笑)
実は、最初にパロディ漫画を拝読したときに、目玉ともどこかで絡みたいなぁ…と思っておりまして…。
ただ暗闇の中に目玉が浮かんでいたと思うので、心拍数は鰻登りだったかも知れません~(笑)

> その上、詩人さんに、ブドウジュースを飲ませることになっちゃったなんて(笑)詩人さん、ナギ並にお酒に弱かったのね!
詩人は どうやら相当弱いみたいで、目が座ったりべらぼう口調になったり、危なっかしいです~ ^^;
でも、ブドウジュース、美味しそうに見えちゃったんだと思います~(笑)

> でもそれでも竪琴はきっといい音色で響いてたんでしょうね。
> それに合わせて踊るレイモンドが、素敵!

ありがとうございます♪(*^ ^*)
意外なところで本気を出してしまった2人でした… >ω<

> そして……知らなかった!詩人さんは性別が無いのですね?
そうなのです~ >ω< ”
アルビノ(色素欠乏→無色)と、無性と言う、特徴があります ^^
(……って、「無職」に変換されるのは なにゆえ… orz)

> なんて神秘的な。そりゃあ、やっぱり寝室は真ん中の廊下ですね!(うそです><)
やっぱり廊下が楽しそうなんですけども~ >ω< ” (OKです/笑)
次の朝に一番先に起きた方に「どうしてそこで寝てるの??」と突っ込まれそうですが…(笑)

> とってもフレンドリーで楽しい宴会でした^^
> 次回も楽しみにしていますね♪

ありがとうございます♪(*^ ^*)
現在、牛歩ながら、最終話を半分 ~ 2/3程書き進めています >ω<
うまく纏まると良いのですが~…(笑) orz

コメントありがとうございました♪(*^ ^*)
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